楽しい食事のひとときが過ごせれば、心の距離もグッと縮まり良い印象を与えるはず。しかし、反対に食事のシーンで残念なふるまいをしてしまえば悪い印象をもたれてしまうことに。この人と食事をすると楽しい! また一緒に行きたい! 素敵な人だった! と思われる、大人女性が知っておきたい振る舞いがあるんだとか。今回はエレガントなしぐさのレクチャーを得意とするマナー講師のMasayoさんに、食事のシーンで素敵と思われるための大人女性の心得について解説していただきましょう。
素敵と思われるための基本の心構えとは?
食事をする相手が男性と女性とでは、目線は多少異なることもありますが、基本となるのは「どんな人となら食事をしたいか」、「どんな人とは食事をしたくないか」を考えてみるとわかりやすいでしょう。マナーはまず相手の目線や気持ちになって考える事が大切。こうした気遣いは、振る舞いをエレガントに見せるために必要不可欠な心構えといえます。
食事のシーンで気をつけたい行動とは?
まずはやってはいけない、または避けておきたい行動を少しだけチェックしておきましょう。
・食べ方が汚い
・好き嫌いが多い
・声が大きい
・口の中に物が入ったまま喋る
・お箸やカトラリーを人に向ける
・お店の方に対する態度が尊大
食べ方が汚い、声が大きいなどは周囲に不快感を与えると想像はつきますよね。好き嫌いが多いのはなぜ? と思うかもしれません。しかし食事を共にするうえで好き嫌いが多いと、お店のセレクトにも気を使うだけでなく、食べ残しが多くなるなど、せっかくの食事が楽しくなくなるという意見もあるほど。では、魅力的と思われる女性とはどんな振る舞いが正解なのか。
嬉しい、楽しいという気持ちを素直に表現できる
態度で表現することはもちろん、言葉で表現することも大切にしましょう。一緒に食事ができて嬉しい、楽しいというプラスの感情は表現しないと損ですよ。女性に喜んでもらえて、嬉しくない男性はいないはず。とはいえ、何となく言葉にするのは照れ臭い、または気恥ずかしいという感情を抱く方もいるかもしれませんね。しかし自分の感情以上に、相手の気持ちを大事にすることで、大人の魅力が格段にアップします。嬉しい気持ちや感謝の気持ちなどをしっかりと言葉にすることは、あなたの印象を良くすることにもつながるのです。
一緒に食事をする相手だけでなく、周りへの気配りができる
自分たちさえ良ければというのは、大人の女性としては失格。周りの人にもスタッフにも心配りができて、敬意を失わない人こそ魅力的なのです。こうした振る舞いができる人は、良い印象をもたれること間違いなし。
器を丁寧に扱える
やはり食事の仕方は大切。あまりに改まる必要はありませんが、器を丁寧に扱うことで、行き届いている人、人にも丁寧に接する人という印象を与えることにもつながります。食事のシーンでは器を持つときには雑に扱うことは避け、テーブルに器を戻すときはそっと置くなど、指先まで意識を行き届かせるようにしましょう。
楽しい話題が提供できれば上級者
食事の楽しみには会話もかかせません。楽しく食事ができたら、お料理も一層美味しく感じられるはず。どんな話題を提供できるか、ということはその人の魅力を左右します。もちろん聞き上手でもありたいもの。話すことばかりに夢中になるのではなく、笑顔で相手のお話にしっかりと耳を傾けましょう。これがバランス良くできれば、間違いなく素敵な大人といえますね。
お酒に飲まれないこと
大人が食事をする際、お料理と一緒にお酒を楽しむというシーンが多くあります。お酒を飲むほどに明るくなるなど、そうしたお酒は食事をより楽しい時間にしてくれます。しかしお酒に飲まれてしまっては本末転倒。魅力的な大人女性は、ほんのり酔う。人に配慮する余裕があるくらいの酔い方なら、艶っぽさが増してエレガントといえます。
できれば残さず綺麗にいただく
食事のシーンでは、やはり残さずに綺麗にいただきたいもの。しかしコース料理などで品数が多い、またボリュームがあって、どうしてもお腹がいっぱいの時は、黙って残すのではなく、一言を添えれたらエレガントですね。
お礼はその場だけでなく、もう一度伝える
ごちそうしてくださるとしても、おごってもらって当たり前という態度ではなく、私も「支払います」という態度や気持ちを見せたいですね。ごちそうになったら、お礼を伝えるのはもちろんですが、その場だけでなく、次にお会いした時にも、一言お礼があると嬉しいものです。会社の上司などで、翌日も会う場合は、必ず再度お礼を伝えましょう。
ちょっとした心遣いがあるか否かで、印象は全く違うものになります。
立ち居振る舞いも心遣いも、“微差の積み重ね” です。ご紹介した内容はほんの一部ですが、相手を思いやる気持ちを常日頃から持ち続けることがとても大切です。こうした微差を積み重ねて、よりエレガントで素敵な女性を目指しましょう。
マナースクール Mエレガンスアカデミー 代表
グレース・ケリーも卒業生であるフィニッシングスクールにて幅広く研鑽を積む。幼少よ り茶道・華道を嗜み、着物着付け講師の資格も持つ。上質で心掴むマナー・立ち居振る舞 い・コミュニケーション術の講座を開催。
著書:「オトナ女子のふるまい手帖」なぜか大切にされる女性になるマナーと心得 56